PRESIDENT<会長>
関澤 潤

PRESIDENT MESSAGE50期テーマ止揚により奉仕活動を選択集中するGSロータリー

「止揚」とは耳慣れない方もいらっしゃると思いますが、ドイツ語でAufheben(アウフヘーベン)というヘーゲルという哲学者が使用した用語です。ヘーゲルが提唱した弁証法では、事象は低い段階の否定を通じて高い段階へ進むが、高い段階のうちに低い段階の実質が保存されることにより、矛盾する諸契機が統合的に発展するとされています。高い段階のうちに保存された低い段階は「止揚された契機」と呼ばれています。
ドイツからの初めてのRI会長、ボルガー・クナークさんの提唱するRIテーマは「ロータリーは機会の扉を開く(Rotary Opens Opportunities)」ですが、彼のいう「機会の扉」はヘーゲルのいう「止揚された契機」と通底するもののように感じ、50期クラブテーマと致しました。
また、福原有一ガバナーは、上記のRI会長テーマを受けて「バリアフリーマインド(Barrier Free Mind)」を提唱されています。奉仕するロータリアンが、奉仕する相手と同じ目線に立つことは重要です。それは相手を尊重し、尊敬するとともに、相手の生き方に感動することであると説明されています。
私はこの福原ガバナーの意見に大賛成ですが、加えて自分の足りない部分を認識し、この敬愛すべき相手から学ぶという意欲を持つことが重要だと思います。それによって、ロータリーも様々な奉仕活動が止揚され、より高次元に統合発展させることができます。
具体的には、例えば社会奉仕活動で身体障害者の方々に接する時は、自らの障害を克服して生きるという選択をされていること自体が素晴らしく、健常者の自分が学ぶべきであるということに思い至ることが大事です。
また、青少年奉仕活動においては、ロータリアンとしての経験実績を伝えることも大事ですが、上から目線ではなく、若い方に学ぶという姿勢も必要です。
「バリアフリーマインド」を是非実践していきましょう。

ところで、当ロータリークラブは、今期で50周年を迎えます。ロータリークラブの会員の減少が言われている中で100人前後の会員を有する当ロータリークラブは財政的にも比較的恵まれ、奉仕活動も比較的活発であるといえると思います。しかし、ここで満足してはならないと思います。
私は今期のテーマに、英語のイニシャル「GS」という語を使いました。それは二つの意義で使用しています。
一つは「グローカル(Glocal)な世田谷(Setagaya)」という意味です。
私は昭和60年4月の入会ですが、入会当時、地域に拘らず都心に拠点を移してグローバルに展開する意見と、世田谷という地域に根差してローカルな地域性を大事にする意見が、名称の問題も絡んで対立していました。この問題は山の手ロータリークラブの拡大として一応の決着がついているようですが、意見の対立の根はまだあるように思います。この点において、私は両方の意見を止揚するものとしてGlobalとLocalの合成語Glocalを提唱し、地域性を大事にしつつも世界に視野を向けたいと思います。
もう一つは「ゲートウェイ(Gateway)渋谷(Shibuya)」です。
当クラブは、ほとんどの期間、その例会場を渋谷においてきました。またメンバーも、渋谷の開発主体の企業である東急グループの方が多く在籍されていたほか、近時は多くのIT関連企業が渋谷に集積しつつあります。当ロータリークラブの主たるテリトリーとして、世田谷のほか、その入り口として渋谷を加えることは、渋谷に事業拠点を有するロータリアンにふさわしい方に、まさに入会の機会を与えるもので、会員増強のため必要なことです。

そして、奉仕活動の選択と集中も不可欠です。単年度でいろいろな奉仕活動を立ち上げた結果、多くなりすぎて、活動の持続性に困難をきたしているものもあります。「スクラップアンドビルド(Scrap&Build)」として新しい事業を立ち上げるため、前の事業を終了するという思い切りある決断も大事だと思います。

また財政面では、50周年記念事業での多大な支出が予想される中、当クラブの特別基金の運営が必ずしもうまくいっていないことも懸念されます。フォーラム等で取り上げて賛否両論を止揚した解決策を模索し、50期で結論を得たいと思います。

会員の皆様のご協力をお願い致します。

会長 関澤 潤

VICE PRESIDENT<副会長>
加登屋 正和

SECRETARY<幹事>
矢島 慶大

役員

<会長エレクト>
鈴木 明彦
<会計>
柴宮 克彦
<SAA>
久慈 英朗
<直前会長>
平井 国喜
(役員待遇)
柳内 調風
(役員待遇)
福森 久美
(役員待遇)
山﨑 充

理事

<親睦>
橋本 浩明
<奉仕プロジェクト>
芝 邦男
<社会奉仕>
仲野 貴乃
<国際奉仕>
柴田 彰夫
<青少年奉仕>
安田 哲也
<ロータリー財団>
齋藤 悟